グローバル化が急激に進み、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4技能習得の重要性が注目を浴び、公教育でも授業の見直しなどが進められています。一方で、中学校・高校の英語の試験はまだまだ文法が中心なのも現実かと思います。実際に、英語塾キャタルではまだまだ文法対策強化のご要望が届いているようです。
キャタルではそのようなご要望を受け、小学3年生から英語の文法対策をカリキュラムに導入しているようです。しかし、その対策カリキュラムは日本の英文法の教え方と異なるため、本当に身につくのか?といったお声をいただくことも。今回は日本と海外での英文法の教え方の違いと、日本で文法を学ぶにあたって意識したいポイントやおすすめの参考書をご紹介します。
日本の従来の英文法の教え方
従来の日本の学校の英語の授業ではまず英語のルールから教えられていました。「子音の前はaで、母音の前はan」や「関係代名詞は先行詞が人の時はwho、物の時はwhich」などといったルールを徹底的にまずは叩き込まれるのです。この、ルールを理解して、そこからケースを分ける方法のことを哲学者は演繹法と呼んでいます。
なぜ日本でこの演繹法が採用されてきたかというと、教える教師の問題などもあったかと思いますが、最も大きな理由は、日本では様々なケースを学ぶだけの英語に触れる環境が整っていなかったからだと思います。英語の授業以外では英語を使ったり耳にしたりすることがほとんどない日本ではたくさんのケースを叩き込むだけの英文に触れる機会がなかったので、ルールを覚えるという方法を選ばざるを得なかったのです。
バイリンガルの英文法習得方法
それでは、日本のバイリンガルはどのように英文法を習得したのでしょうか。キャタルで働くバイリンガルたちはTOEFL100点・英検1級レベルの非常に高い英語力を持っている日本人です。彼らに聞いてみると英文法というのを個別に学んだことはないといいます。驚くことに彼らの多くは「子音にはa、母音にはan」という不定冠詞のルールを知りませんでした。それでも正しくaとanの使い分けができています。これはどういうことなのでしょうか。
実際に彼らに英文法の問題を解かせてみると面白いのが、ほとんど考えることなく、普通の日本人の倍以上のスピードで問題を解いていきます。そして、どうやって答えを選んだのかを聞くと、「こういう風には言わないから」や「こういう時にはこれしかないから」と自分の経験や感覚に基づいて解答しているのです。このことから、「toのあとは動詞の原形」や「先行詞が物だからwhichかthat」のようなルールから学ばなくても、きちんと話し言葉も、書き言葉も、もちろんテストでも完璧に使いこなせる文法力を身につけることができるということがわかっていただけるかと思います。
英語圏の英文法習得方法
それではネイティブの方はどうやって英文法を身につけているのでしょうか。日本では演繹法で教えられているとすでにお伝えしましたが、海外では帰納法が採用されています。これはルールを身につけるために、たくさんのケースを身につけるという、日本とは逆の方法です。
例えば日本では「子音の前はaで、母音の前はan」とルールを教えられるのに対して、ネイティブはa pen, a teacher, an orange, a train, an apple, an hourとルールを教えられないまま、まずはたくさんのパターンを例文で体の中に記憶させられます。そしてそのたくさんのケースを覚える中で徐々にルールを見出して行くのです。
また、英語圏では文法を学びながらその概念が持つイメージや感情を理解できるよう、挿絵(イラスト)をたくさん使用した文法書が使用されていることが特徴的です。イラストで文章をイメージ化し、たくさんのパターンに触れることで文法が定着していく流れが英語圏では定番のようです。
小学生の英文法対策にはこの参考書!
世界で最も売れている文法書と言われている英文法の参考書に「Grammar in Use (Raymond Murphy著)」という本があります。この本の特徴は見開き半分がイラストで埋まっている点です。日本で販売されている文法書と比べると絵の多さに驚かれるかもしれません。
挿絵を見ながら、自習として空所を埋めていくだけで自然と文法の概念を理解することができる一冊となっています。イラストが多いので小学生でも抵抗感なく取り組めるのでとてもおすすめです。
もちろん、この本は大人の方にもおすすめです。一度英語を学んだ人や普段英語に触れる機会のある人が体系的に学ぶと同時に、それらの文法が実際にはどのような場面で使われているかを確認することができます。
小学生にもおすすめな理想の英文法の習得方法
日本でこれまで採用されてきた、概念(現在完了形や関係代名詞)と言葉を結びつけてルールを覚える方法と、英語圏で行われているイラストなどのイメージと併せてパターンで覚えていく方法はどちらの方がいいと感じられましたか。
キャタルでは後者のイメージとセットにパターンを覚えていく方法を採用しています。そのためレッスンは全て英語で行われており、文法を学ぶカリキュラムも全て英語のものを使用しています。それを小学3年生から始めるので、難しいのではと思われる方も多いのですが、イラストが多いカリキュラムとなっているので大丈夫。むしろ、実践的な練習を繰り返して行うので簡単と感じられる場合も多いです。簡単だと感じられることを定着するまで繰り返し行うだけで文法が定着するなんて理想の英文法習得方法だとは思いませんか。
小学3年生からの文法対策にご興味をお持ちいただいた方はぜひ一度体験レッスンをご検討ください。学習カウンセラーがお子さまの苦手分野や将来の目標に合わせた学習カリキュラムを提案いただけます。
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参考:小学生からの文法対策に対応!英文法カリキュラム強化がスタート