withコロナ時代 | 新小学1年生の保護者がやっておきたい家庭学習サポート

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コロナウイルスの影響を受け3月から始まった学校閉鎖ですが、現在はほとんどの小学校で学校が再開されました。再開したとはいえ、分散登校で授業も通常とは程遠い状態です。

一生ものの学力の基礎をつくらなければならない重要な時期に、通常の学校生活を送ることができない新1年生のことを思うと、保護者の方もさぞ心配なことでしょう。

本記事では1年生を中心に、この時期、保護者がやっておきたい家庭学習のサポートについてご説明します。

1年生は教科書よりも机に向かう習慣を

文部省の学習指導要領で定められた1年生が学ぶべき内容は、決して多くはありません。
学習指導要領を元に、1年の間に身につけておかなければならない「さんすう」「こくご」は以下のものです。

【算数】

・数の大小が理解できること
・「けた」数を理解できること(1の位、10の位)
・1けたの足し算ができること(例:5+7=12)
・繰り下がりのある引き算ができること(例:13-6=7)
・基本的な文章題が解けること(例:りんごが3こあります…)
・基本的な図形がわかること(まる、さんかく)
・図形の大きさの比較ができること

【国語】

・ひらがな、カタカナが書けるようになること
・かんたんな文章の音読ができるようになること
・短い作文がかけるようになること
・児童向けの本を読み、内容が把握できること
・80字の漢字が書けるようになること

1年生に取って4~5月期とは、学校に慣れ、集団生活に慣れることに主眼点が置かれているため、授業がなかったことによる学習の遅れは、そこまで心配する必要はありません。

しかし、逆に言うとこの時期に身につけておかなければならない最低限のこと(ひらがなやカタカナを書くことや、音読ができること、足し算、引き算の基礎ができること)を積み残してしまうと、勉強に対する苦手意識が付いて回ることになります。

この時期何よりもたいせつなことは、以下の3点です。
家庭では3点目を主にフォローアップしてください。

学校が楽しめること

集団行動ができること

毎日10~20分、集中して机に向かう習慣をつけること

 

子どもが毎日机に向かう習慣をつけるために必要な保護者のサポートとは

1.机に向かうのはリビングで

たとえ10分間でも、1年生の子どもが集中して机に向かうことはむずかしいものです。リビングテーブルであれば保護者の眼も届きやすいため、サボることもありません。

「毎日〇時から10分間」と決めたら、その時はテレビは消して「勉強する」という雰囲気を作ってください。保護者はその間、監視したり、口を出したりは厳禁です。ご自身のお仕事をしながら「がんばっている子どもを見守る」姿勢をキープしましょう。

2. 子どもと一緒に時間割や計画表、結果表を作ろう

毎週話し合って、1週間の勉強計画を立ててください。
10分でできる程度の内容を決めます。決して無理をせず、「毎日必ずこの時間」を心がけてください。「ひらがなを書く」「すうじを書く」「おんどくをする」「プリントをする」など、1つのテーマにしぼります。

以下のような簡単な表で良いので、家庭学習用の計画表を作成します。オンラインでカラフルなスケジュール表をダウンロードしたり、シールを貼ったりするのも楽しいでしょう。

計画表には評価の欄を設けます。勉強後、何よりも大切なのは、振り返りの時間を設けることです。その際「今日何をやったか」を、自分の言葉でまとめさせます。そうすることで、勉強した内容を確認でき、頭の中で定着が促進されるからです。

評価は保護者ではなく、子ども自身にやってもらいましょう。子どもは意外に自分のことを厳しく判断しがちです。「あそこがダメだった」と言うのではなく、良いところを見つけて「大きな声ではっきり読めてたから◎だと思うよ」と肯定的な点を見つけて、具体的に誉めてあげてください。自分で自分に対して良い評価をすることを学ぶのです。このことを通じて、今後、非常に重要になってくる自己肯定感を養うことができます。

3. 音読は「読解」の基礎を作る

特にこの時期、意識して行いたいのが音読です。1年生にとって重要なのは、すらすら読むことではありません。小学校の低学年を通して、次の5点のことができるようになることが目標です。

  • 1文字文字を追うのではなく、文節(例:花子さんは/朝/起きて)のまとまりとして読む
  • 日本語の基本的な文法構造(例:主語が先で述語があと、指示語にはそれに対応する言葉がある、等)を自然に理解する
  • 助詞の「~は」「~へ」は「わ」「え」と読む
  • カギかっこでくくられた部分は、人のせりふであることを理解する
  • 音読しながら内容を把握する

4. 市販のプリントを活用しよう

プリントはひと目で「勉強する範囲」が把握できるので、子どもにとっては取り組みやすい教材です。また保護者の負担を減らすためにも、市販のプリントは積極的に利用していきましょう。

陰山メソッド 1年生の国語・算数たったこれだけプリント

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量は少ないのですが、コピーして使えば繰り返し何度でもできます。この時期、新しいことをたくさん学ぶより、繰り返してしっかり身につけることが大切です。

子どもの進度にもよりますが、集中力のある子や学習意欲の高い子であれば、百ます計算などをダウンロードして始めるのも良いでしょう。

5. 日常の学びを大切にする

勉強は机に向かってするものだけではありません。買い物に行く、洗濯物をたたむ、料理をするなど、すべて子どもにとっては学習の機会です。

図書館も再開され、読書する場も広がりました。図書館には読み物ばかりでなく、図鑑や記号、地図の本など、子どもの世界を広げるものがたくさんあります。ぜひ地元の公立図書館を学びの場として活用してください。

一例を挙げると「はじめてのてんきえほん」など「はじめてシリーズ」の大型絵本は、親しみやすい絵本形式ですが、内容は本格的です。天気や大気について大人が読んでも「なるほど」と思えるような情報がわかりやすく解説してあり、自然に興味がわいてきます。保護者の方も一緒に楽しんでほしいと思います。

ゲームも学習に活用できます。現在、世界中で大人気の「あつまれ どうぶつの森」は、学習の要素が詰まっています。遊びながら文字を読み、考えることができます。また、自分自身で目標を立て、それを達成するために行動します。さらに、計算するという要素も含まれています。3桁の足し算、引き算など、本来なら1年生には難しい内容のはずですが、ゲームの中でいつの間にかできるようになっている、という報告も上がっています。


はじめてのてんきえほん

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どうぶつの森

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もちろん子どもによっては、集中がむずかしい子や、ゲームより体を動かすことの方が好きな子もいます。公園へ行ったり、散歩したり、街中の看板を読むだけでも勉強です。その子に一番合ったやり方を見つけてあげてください。

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この時期だからこそ、できることを1つずつ

保護者の多くの方が、さまざまな不安を抱えておられることと思います。しかし、不安に対する最善の対策は「目の前のすべきことをひとつずつこなす」ことです。行動が不安の特効薬であることは、大人も子どもも同じです。

小学1年生にとっては、小学校入学という人生の節目の時期です。例年に比べると変則的ではありますが、すべきこと、身につけることは変わりません。どうか力を合わせて乗り切ってください。

気を付けなくてはならないのは、「毎日必ず続ける」ということです。そのため、子どももそうですが、保護者にとっても「負担にならないこと」が大切です。

学習の範囲が多くない分、取り組みやすいとも言えますが、反面、一生の基礎ともなる「読み、書き、算数」の根っこの部分なので、積み残しのないように進んでください。

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この記事を書いた人

大手塾で働いてきた知識と、自身が子育てを行なってきた経験を元に、執筆を行う。自分の子供の受験も経験し、塾講師としてまた母親としての視点から、受験や塾に関して意見を書けることを強みとしている。
塾を退職後は、自身で小さな学習塾を開いている。

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