AI時代に必要な能力を育むため、世界各国で「STEM教育」に関連した様々なアプローチが行われています。しかし、「AI」「STEM教育」というと、「興味はあるけど難しそう」「聞いたことはあるけど詳しくは分からない」という方も多いのではないでしょうか。そこでおすすめしたいのが、アプリを活用することで科学技術を身近に感じることです。
今回は、STEM教育にもおすすめのARアプリ『JigSpace』についてご紹介します。
世界のスタンダード「STEM教育」
STEM教育とは
まずはSTEM教育についてご紹介します。「STEM」とは
T:Technology(技術)
E:Engineering(工学)
M:Mathematics(数学)
の頭文字を取った言葉です。科学・技術・工学・数学は、科学技術の開発・発展に重要な分野だと言われています。STEM教育とは、これらを総合的に学ぶことで、科学技術の分野で活躍できる、国際競争力を持った人材を育てるための教育システムです。
最近では、STEM教育から派生した教育システムも登場しています。例えば「STEAM教育」とは、STEM教育に
を足したものです。STEM教育で重視している分野にアートやデザインを加え、想像力や創造的な手法も横断的に養っていく教育システムのことを指します。
いずれの教育システムでも、「課題を解決したり創造したりする能力を育み、子どもをAI時代に活躍できる人材に育てること」を目的とし、世界各国で取り組みが増えています。
日本では、小学校でプログラミング教育が必修化されました。また、教科を横断した学習や総合の時間も重要とされています。
日々の生活の中でも
- 科学へ関心を持つ
- 論理的思考を鍛える
- 様々な技術に触れる
などSTEM教育の考え方を取り入れられると良いですね。
STEM教育にARアプリを活用しよう
「STEM教育の考え方を日常に取り入れる」というと難しく聞こえるかもしれません。そこでおすすめしたいのが、ARアプリの活用です。
ARとは、「Augmented Reality」の略で、一般的に「拡張現実」と訳されます。スマートフォンやタブレット端末などの画面上で見ている実在する風景に、コンピュータで情報を加え、現実を拡張する技術のことです。つまり、ARを使うことで、様々なモノが目の前に存在しているかのように体験することができます。
最近では、無料でインストールできるARアプリの種類も豊富です。ゲームのキャラクターが目の前にいるように見えたり、家具の試し置きができたり、様々な形で使われています。
ARアプリを使って、STEM教育で重要となる「技術」に手軽に触れてみましょう。
モノの仕組みが立体的に見えるARアプリ『JigSpace』
『JigSpace』とは
STEM教育に活かせるARアプリの中でも、特におすすめしたいのが『JigSpace』というアプリです。『JigSpace』では、様々なモノの構造や仕組みを立体的な視点で学ぶことができます。
画面を動画として保存しておくことも可能です。実際に撮影した動画がこちら。
こちらの動画のように、『JigSpace』では、スマートフォンなどを使ってグラフィックを映し出し、ストーリーを進めたり、グラフィックの角度を変えたりすることで、モノの構造や仕組みを確認することができます。
おすすめポイント
- グラフィックがきれい
- 無料で使える
とにかくグラフィックがきれいです。動きも滑らかで本物がそこにあるように見えます。このクオリティを無料で使えるのは嬉しいですね。
注意したいポイント
- iOS(Apple社のOS、つまりiPhoneやiPad)のみ対応している
- 英語版のみリリースされている
Android(iPhone以外のスマートフォン)をお使いの方など、対応しているデバイスがないと使えないのでご注意ください。また、日本語に対応していないため、英語に苦手意識のある方はハードルが高いと感じてしまうかもしれません。
『JigSpace』の使い方
1.まずはiPhoneやiPadに『JigSpace』をインストールします。
インストールができたらアイコンをタップします。
2.こちらの画面から見たいモノを選択します。
様々なモノが以下のように分類されています。
Machines(機械)
Science(サイエンス)
How To(使い方)
Space(宇宙)
History(歴史)
今回はHow Quadcopters Work(クワッドコプターの仕組み)をタップします。
3.説明が表示されます。
「View in AR」をタップします。
4.iPhoneまたはiPadをゆっくり動かし、平らな場所を映します。
5.平らな場所が定まったら、画面中央にグラフィックが表示されるので、タップします。
6.ストーリーが始まります。
スワイプしてグラフィックを回転させたり、ピンチして拡大縮小したりできます。
矢印をタップすると、ストーリーが進みます。
7.ビデオのマークをタップすると、動画を録画、保存することができます。
8.画面左上の矢印をタップすると最初の画面に戻ります。
実際に使った子ども達の感想
我が家の子どもたちに、実際に使ってみた感想を聞きました。
小学校高学年の長女の場合
長女のお気に入りは、Featured(おすすめ)の中にあるCoral Reef(サンゴ礁)です。
「はじめて使った時は、家の中に海ができたみたいでびっくりしました。映像がきれいなので、見ているだけでも楽しいです。英語はママと読みましたが、サンゴ礁の一生について深く学べたのも良かったです。
この他、Featured(おすすめ)の中にはウイルスやドローンなどがあり、今よく聞くモノが見られるので、勉強になります。」
小学校低学年の長男の場合
長男のおすすめはMachines(機械)の中にあるThe Pound Lock(パウンド水門)です。
「ほとんどは、英語で書いてあることを教えてもらわないと分からなかったですが、これは映像だけで仕組みが分かりました。
他にもAlarm Clock(目覚まし時計)が分解される映像を見て、自分でもやってみたいと思いました。
家の中で宇宙が見られるのも楽しかったです。」
保護者の視点
グラフィックがきれいな点は子どもにも好評でした。
英語がある程度分かっていたり、自分で調べられたりする場合は一人でも大丈夫ですが、しっかり理解するには大人のサポートが必要でしょう。グラフィックを見ながら簡単な文章を読むので、英語の勉強にもなります。
子どもの興味をひいたり、子どもが関心をもっているモノを知る手がかりにしたり、色々な使い方ができそうです。例えば、このアプリで見て気になったモノについて調べるなど、「技術」に触れながら様々な分野に関心をもつきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
「AI時代に活躍できる人材を育てること」を目的としたSTEM教育。「科学・技術・工学・数学といった科学技術に必要な分野を総合的に学ぶ」というと難しく聞こえるかもしれませんが、様々なことに興味を持ったり、新しい技術に楽しみながら触れたり、日常生活の中でも取り入れられることも沢山あります。
その一つとしておすすめしたいのが、今回ご紹介したARアプリ『JigSpace』です。きれいなグラフィックで色々なモノの仕組みを学べるアプリを活かして、子どもたちの可能性を伸ばしてみてはいかがでしょうか。