「VUCA(ブーカ)」という言葉をご存知でしょうか?VUCAとは、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況を示す言葉です。社会情勢が大きく変化しているVUCAの時代には、プログラミング的思考が必要だと言われています。
プログラミング的思考を養うために、プログラミング教育が小学校で必修化されましたが、自宅でも取り入れたいと考えている方も多いのではないでしょうか。様々な方法がありますが、無料のアプリ「スプリンギン」は、直感的な操作でゲームや絵本づくりができるので、はじめてのプログラミングにおすすめです。
今回は、VUCA時代に必要なプログラミング的思考について、また、おすすめアプリ「スプリンギン」について、実際に使った感想と合わせてご紹介します。
VUCA時代に欠かせないプログラミング教育
VUCA時代とは
VUCAとは
U:Uncertainty(不確実性)
C:Complexity(雑性)
A:Ambiguity(曖昧性)
の単語の頭文字を組み合わせた造語です。「VUCA時代」とは、この4つの要因により未来の予測が難しくなる状況を表しており、近年の不安定な社会情勢を示しているとも言われています。特にこの20年はIT革命により大きく変化しました。そして2020年以降は、新型コロナウィルスの感染拡大により、その傾向がさらに強くなったと言えるでしょう。
VUCA時代を生きる子ども達には、「世の中の変化についていく力」が必要になります。
プログラミング的思考とは
変化の大きい社会情勢に対応するため、2020年度から小学校教育においてプログラミング教育が必修化されました。このプログラミング教育の目的は、「難しいプログラミング言語を覚えること」ではなく、「プログラミング的思考を養うこと」です。
文部科学省は、将来の予測が困難な時代に求められる資質・能力の一つとして「情報技術を手段として使いこなしながら、論理的・創造的に思考して課題を発見・解決し、新たな価値を創造する」ことを挙げています。また、プログラミング的思考について
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力
(引用)小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)
と述べています。
これからのVUCA時代を生きる子ども達には、「論理的に考える力」つまり「プログラミング的思考」が必要になるということです。
プログラミング的思考が身についていれば、予期せぬ問題にぶつかった時でも、「何が問題なのか」「どうやったら問題を解決することができるのか」を論理的に考えることができます。
プログラミング教育を通して、様々な問題に対して解決策を考え、試行錯誤していく練習ができると良いですね。
ビジュアルプログラミングアプリ「スプリンギン(Springin’)」
スプリンギンとは
「スプリンギン」は、ゲームや絵本などの作品づくりを通して、プログラミングのプロセスを学べる無料のアプリです。
公式サイトはこちら→Springin’(スプリンギン)|創造的プログラミングアプリ
「つくる喜びを学ぶアプリ」として人気があり、子どもから大人まで幅広いユーザーがいます。文字を使わずに直感的に操作ができるので、特に低学年の子どもやはじめてのプログラミングにおすすめです。
スプリンギンの特徴
自分の作品を遊んでもらえる
スプリンギンでは、プログラミングをするだけでなく、自分のつくった作品を世界中に公開することができます。プレイされた数がチェックできたり、評価や感想をもったりすることができるので、次の作品づくりに活かしましょう!相手を意識した作品づくりに挑戦することで、自分ならではの解決策を探る力が身につきますね。
他のユーザーの作品を分析できる
他のユーザーの作品をプレイしたり、中身を分析して学んだりすることもできます。「いいな」「面白いな」と思った作品やアイデアについて、ぜひ研究してみてくださいね。自分に必要な情報を探したり、分析したりする力が身につきます。
公開した作品を通してコミュニケーションを学べる
公開した作品について、「いいね」をつけたりコメントしたりすることで、ユーザー同士でコミュニケーションをとることもできます。コメントは、感想を前向きな定型文で送るものなので、安心・安全に使えます。将来、SNSなどのコミュニケーションツールを使う際の練習にもなりますよ。
チャレンジ企画に参加できる
スプリンギンでは、チャレンジ企画として、企業や団体とコラボレーションしたコンテストなどを定期的に開催しています。様々なテーマで作品を広く募集しているので、チャレンジしたいコンテストに応募してみましょう!目標を持つことは、モチベーションを維持するためにも大切です。やりがいや達成感を感じることもできますね。子どもたちにとって貴重な経験になるでしょう。
スプリンギンで身につく力
これまで紹介してきたような特徴から、スプリンギンでは次の6つの力が育つとしています。
論理的思考力
試行錯誤力
物語力
表現力
マーケティング力
変化の大きいVUCA時代に必要な力ですね。作品づくりを通して、楽しく身につけていけると良いですね。
スプリンギンの使い方
はじめに
1. スマートフォンやタブレットにアプリをインストールします。
画面が大きい方が操作しやすいので、タブレットへのインストールがおすすめです。
※Android版は作品プレイのみ対応しています。
2. インストールができたらアイコンをタップします。
各画面について
画面下にあるアイコンをタップすることで、各画面に移動することができます。
1. 「マーケット」画面
マーケットでは、他のユーザーが作ったおすすめのワーク(作品)や、現在開催中のコンテストの情報を見ることができます。また公開している自分の作品へのリアクションを確認することもできます。
2. 「見つける」画面
マーケットに公開されたワークをキーワードやジャンルで検索することができます。
3.「コレクション」画面
ダウンロードしたワークや「いいね」をつけたワークが表示されます。
4.「マイワーク」画面
自分が作ったワークを管理できます。
ワーク作成・編集について
1. 各画面の右下にある「+」をタップします。
2. 「ワーク作成・編集画面」が表示されます。
ここでは、「シーン」に「アイテム」を追加し、動きに関する「属性」を設定することで、ゲームや動く絵本を作成することができます。
3. ワーク作成・編集画面
編集モードに関するメニューです。
左から「ホームボタン」「ヘルプメニューボタン」「背景ボタン」「プレイボタン」です。
操作が分からない時は「ヘルプメニューボタン」を押してヘルプを確認しましょう。
「プレイボタン」を押すと作成中のワークを実行して動作を確認できます。
ゲームに登場させるキャラクターなどをアイテムと呼びます。ピンチイン/アウトで拡大縮小や回転ができます。タップで属性を設定するメニューが開きます。
アイテムを配置するスペースをシーンと呼びます。タップで属性を設定するメニューが開きます。
アイテム作成に関するメニューです。
「+」をタップするとアイテム作成画面に移ります。
アイテム作成画面では、指やスタイラスペンなどを使って絵を描きます。写真を使うこともできます。
作成したアイテムはドラッグするとシーンに追加されます。
シーン作成に関するメニューです。
「+」をタップするとシーンが追加できます。
スプリンギンを使ってみた感想
小学校高学年の長女の場合
長女は、他のアプリでプログラミングの経験がありました。
「使ったことのあるプログラミングのアプリは、文字が書かれたブロックを組み合わせてゲームをつくるタイプのものだったので、初めは使い方の違いに驚きました。お手本のムービーを見たり、実際に試したりして使い方が分かってくると、つくってみたいものがどんどん思い浮かびました。
他の人の作品を研究できるのも面白いです。たくさんの人に遊んでもらえるゲームを作りたいので、色々なことに挑戦してみたいと思います。」
小学校低学年の長男の場合
ゲーム好きの長男は、プログラミングの経験はなく、スプリンギンでプログラミングデビューでした。
「自分でゲームをつくれるので楽しいです。他の人がつくったゲームで遊んでみて、面白かったものは自分のゲーム作りの参考にしています。
初めはイメージ通りに動かなかったものが、色々試しているうちに動くようになった時が嬉しいです。今は家族や友達と対戦できるゲームをつくっています。色々なゲームをつくってみたいです。」
保護者の場合
文字がなくアイコンを見て操作するので、アイコンの意味を理解するまでは戸惑うかなと思いましたが、子ども達はあっという間に慣れたようでした。直感的な操作ができるので、小さい子でもチャレンジしやすいと思います。
コツコツ作業することが得意な長女も、ゲームをすることが好きな長男も、どちらも楽しんで取り組んでいます。試行錯誤する姿が見えるので、楽しみながら、「自分で考える力」や「論理的に考える力」が身につくと嬉しいです。
我が家では、子どもが作ったゲームで一緒に遊んだり、解説を聞いたりしているので、親子のコミュニケーションのツールとしても活躍しています。
まとめ
将来の予測が困難なVUCA時代には、論理的に考えることができる「プログラミング的思考」を養うことが大切です。自宅でもプログラミング教育を取り入れたいという方には、無料のプログラミングアプリ「スプリンギン」がおすすめです。直感的な操作ができるので、はじめてのプログラミングにもぴったりです。楽しみながら、変化の大きい時代に対応できる力を身につけられると良いですね。