新型コロナウイルスの影響で臨時休校が続くと、家庭学習だけでなく、子どもとの過ごし方など、いろいろと不安になりますよね。
私が住むイギリスでも、全国一斉休校とロックダウンがスタートして、早3週間以上が経過しました。
そこで今回は、オンライン授業なし・外出禁止の状況で、イギリスの小学生がどのように過ごしているのかを現地からレポートしたいと思います。
イギリス小学校はオンライン授業の実施なし
コロナ休校にともない、小学校でもオンラインで授業を導入する国の話題を耳にする機会が増えてきました。
しかしながら、イギリスの小学校では、私立校など一部の学校を除き、担任教師と子どもたちがビデオ通話などでやり取りをする「オンライン授業」は、実施されていません。
学校によってかなり対応は異なりますが、我が家の娘達が通うロンドンの小学校では、
- 家庭学習に役立つウェブサイトのリンク集
- 家庭学習のアイディア
などが休校前にメールで送られただけで、毎日何をどれくらい学習するのかは各家庭次第、というのが現状です。
日本のように決まったカリキュラムがなく、普段から「広く、浅く」教えるスタイルが一般的です。
そのため、家庭学習をする際にも、いちから新しいことを教えるというよりも、すでに軽く学習している内容の復習+αというイメージで進めています。
課題提出にはアプリを活用
一方、同じロンドン市内の小学校でも、週に1〜3回にわけて課題を提出する学校もあります。
やはり休校の期間が長くなると、この課題提出スタイルの家庭学習に移行する学校が増えることが予想されます。
課題の受け渡しや採点には、「Google classroom」、「Seesaw」、「Showbie」といったアプリが使用されます。
アプリのレビューには、いくつか日本語のコメントもあったので、日本の学校でも取り入れられているようですね。
うちの小学校からも、イースターホリデー(春休み)が明けから、「Seesaw」アプリを使った家庭学習をスタートするという連絡がきたところです。
YouTubeで体育の授業
イギリスの小学校から送られてきた「家庭学習のアイディア」のなかには、勉強だけでなく、体を動かす「体育(PE)」もしっかり含まれています。
多くの学校で勧めているのは、「PE With Joe(ピーイー ウィズ ジョー)」という、Youtubeチャンネル。
Joe Wicks(ジョー・ウィックス)というカリスマトレーナーが、コロナ休校中の平日、毎朝イギリス時間の9:00から、ライブで体育の授業をしてくれるというものです。
我が家でも、毎朝、学校の体操服を着て「PE With Joe」で運動をしています。
対象は幼稚園児からとのことですが、かなり内容は本格的です。
就学前〜小学校低学年のお子さんには、「Cosmic Kids Yoga」という子ども向けのヨガをおすすめします。
オズの魔法使いやアナと雪の女王など、毎回ストーリー仕立てになっているので、きれいなイギリス英語のリスニング学習ができるのも◎
一日中家にいると気が滅入りがちですが、毎日少しでも体を動かす時間を確保すると、頭も体もスッキリしますよ。
習い事も続々とオンライン対応に
イギリスでは、ロックダウンにともない、子どもの習い事の教室もすべて閉鎖になりました。
しかし、Zoomアプリを利用して、オンラインでレッスンをする教室も増えてきています。
我が家でも、バレエとピアノをオンラインで継続中。
「年齢が低いうちは、オンラインレッスンは厳しいのでは?」
「集中力が続かないのでは?」
などなど…オンラインレッスンが始まる前は、親である私のほうが心配でいっぱいでした。
ところが、はじめのうちは戸惑っていた子どもたちも、すっかり慣れたようで、4歳の次女も集中してレッスンを受けています。
ほかにも、体操やサッカーなどをオンラインレッスンで継続しているという同級生がいます。
毎週決まった時間に習い事の予定があるというのは、生活のメリハリにもなるので、我が家でもオンラインでの習い事は、ロックダウン解除まで続けていく予定です。
友達や同級生とはオンラインで交流
イギリスでは、放課後、同級生の家に遊びに行くことを「プレイデート」といいます。
もちろん休校・ロックダウン中は、実際にプレイデートをすることはできません。
その代わりに、オンラインでの「バーチャル・プレイデート」で友達と遊んでいます。
とくに幼稚園生や低学年は、環境の変化に対するショックを和らげるため、定期的に同級生の顔を見せ合うことを推奨している学校も多いようです。
我が家の次女(4歳)のクラスでも、毎週Zoomで、クラス全体のバーチャル・プレデートを開催しています。
また、休校・ロックダウン中に誕生日を迎える子どもたちのなかには、オンラインで、バーチャル・バースデー・パーティーをすることも!
なんと、両親の代わりに、オンラインで子どもたちを楽しませてくれる「バーチャル・パーティー・エンタテイナー」というビジネスまで登場しました。
バーチャル・プレイデートに人気のアプリ
バーチャル・プレデートをするためには、ビデオ通話ができるアプリが必要です。
1対1のプレデートであれば、LINEビデオ通話でも問題ありませんが、3人以上でのバーチャル・プレイデートをする際には、ZoomやSkypeなどのアプリが活躍します。
とくに、クラス全体のプレイデートやオンライン・レッスンなどには、Zoomが使われることがほとんどです。
(ただし、Zoom無料アカウントの場合、参加者3人以上のビデオ通話は40分間までという時間制限があります。)
ZOOM Cloud Meetings
Zoom無料posted withアプリーチ
バーチャル・プレイデートのアイディア
はじめのうちは、いきなり子どもを画面の前に座らせても、バーチャル・プレイデートがうまくいかないことが多いでしょう。
学校では仲良く遊んでいた友達でも、ビデオ通話に慣れていなかったり、何を話していいのかわからなかったり…
そんなときは、大人が少しだけ手助けをしてあげると、バーチャル・プレデートが盛り上がります。
我が家でよく実践しているのは…
- オンラインで一緒にお絵描きをする
- オンラインでカラオケをする
- ミュージカル・スタチュー(音楽流れている間はダンスをして、音楽がストップしたら銅像のように動きを止めるゲーム)
楽器が得意なお子さんなら、Zoomで「オンライン・オーケストラ」を結成することも可能です!
また、大人数が参加する場合には、大人が司会役をつとめてZoom教室を開催するのも楽しいですよ。
最近、マーケティング会社に務める長女(6歳)の同級生のママが開催したZoom教室がとても興味深かったので、その内容をシェアしますね。
「自分の遊園地を作ろう」というテーマで、遊園地に必要なものを話し合う宿題:話し合ったものを含む、遊園地の絵を描く【2日目】
遊園地の絵をみんなに見せ合う宿題:遊園地のPR文とロゴを作成する【3日目】
遊園地の絵、ロゴを見せながら、自分の遊園地をプレゼンする
楽しみながらも、しっかりマーケティングの勉強になっているところが、さすがですよね。
ストレスや心配事が増える休校・ロックダウン中ですが、こんな時にしかできない遊び方が楽しめるというプラス面もあります。
ロックダウン中のイギリス小学生の間で流行っていること
コロナ休校・ロックダウン中、イギリスの小学生の間では、虹の絵を描いて窓に貼るのが流行っています。
虹の絵には、「STAY HOME(お家にいよう)」、「STAY SAFE(安全でいてね)」や、「THANK YOU NHS」といった病院スタッフへの感謝のメッセージを書くことも。
ロックダウン中でも1日1運動で外に出ることはできるので、子どもたちは、散歩をしながら窓の虹を探しています。
キレイな虹を描くのは、お家でのアクティビティとしても楽しいですし、それを窓に貼ることで、外から見た人も明るい気持ちになれるので、ぜひ試してみてくださいね!
最後に
今回は、コロナ休校・ロックダウン中のイギリスから、小学生の家庭学習の実情や、毎日の過ごし方などをお伝えしてきました。
学校に行けないのは、子どもにとっても親にとっても、少なからずストレスではありますが、アプリを上手に活用することで、できるだけ日常の生活を続けることができています。
また、イギリスのほとんどの小学校では、勉強の遅れを心配するよりも、「メンタルヘルス」を健康に保つことが最優先というアドバイスをしています。
少しくらい、普段よりテレビを見る時間やゲームをする時間が長くなっても大丈夫。
せっかくの機会なので、親子で一緒に過ごせる時間を楽しむくらいの気持ちで、コロナ休校を乗り切りましょう!