元大手塾の模擬試験製作者が教える【中学受験】いつから始める?何から始める?

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中学受験をさせた方がいいのか、公立中学の方がいいのか、迷っている保護者の方も多いでしょう。そんな方のために、ここではどんな子が中学受験に向いているのか、受験するとしたらいつから準備を始めたらいいのか、実際に受験準備に入る前に知っておきたいことをご紹介します。

中学受験をさせたいのはどうして?

中学受験というと、夜遅くまで塾通いをしている小学生の姿がニュースなどにも取り上げられますが、実際には成績優秀な子供のためだけのものではありません。少子化の現在、「わが子に少しでも合った教育を受けさせたい」と考える保護者が増えているのです

中学受験を経験した保護者の多くは、以下のような理由から、子供の中学受験を決めています。

・難関大学進学に強い中高一貫校に進学させたい
・大学入試改革で先行き不透明なので、とりあえず有名私立大の進学が約束されている系列校に進ませたい
・国際的に活躍できるような大人に育ってほしいため、留学制度もある学校に進ませたい
・保護者の母校であり、校風・教育理念が好き
・高校受験、大学受験と追いまくられる十代ではなく、のんびりと育ってほしい
・音楽やスポーツ、ダンスなど、習い事の枠にとどまらず、もっと力を入れさせたい
・共学に向いていない
・キリスト教や仏教など、宗教を建学の精神にしているところが良いと感じる
・地元の公立中学が荒れている、いじめがある、学力的に問題がある

もしこの中に当てはまるものがあるのなら、中学受験を検討する価値があります。
ぜひ3年生までに中学受験という選択肢があることを伝え、話し合ってみてください。

「やればできる自分」を信じられる子供が受験に向いている

受験で何よりも大切なことは、保護者ではなく当事者である子供が、「自分は〇〇のために中学受験する」という気持ちを持つことです。「受験させられた」という意識のままでは、勉強もつらいばかりだし、仮に合格したとしても、何かあったときに「本当はこんなところに来たくなかった」と逃げ出したくなってしまうからです。そうならないためにも、親子できちんと話し合い、本人が自分の意思を固めることが必要です。

難関校はもちろん、中堅校や比較的入りやすいとされている学校であっても、中学受験は楽なことではありません。遊びたいのに遊べない、勉強しても成績が上がらない、塾では週末テストや模擬テストなどプレッシャーをかけられる…。遊びたいさかりの子が、そうした日々を過ごさなければなりません。しかし、「やればできる自分」を信じられる子は、どんな困難も乗り越えることができます。

「うちの子はどうなんだろう?」と思う保護者もいるかもしれません。その折れない心を育てるのが保護者なのです。

中学受験は親子一体となって立ち向かう受験

中学受験は「親子で立ち向かう受験」と言われます。

「お受験」とも呼ばれる小学校受験は、保護者主導で行われるものです。また、高校受験は子供の自立の時期とも重なり、子供の意思と学校の意向、保護者の考えが真っ向から対立することもあるものです。大学受験ともなると、完全に子供主体、保護者の出る幕は、経済的な側面ぐらいしかなくなってきます。しかし中学受験だけは、親子でともに学び、ともに悩みながら乗り越えていく場としてあります。

毎日10分20分でも、話を聞き、勉強の経過を見ながら、「頑張ってるね」「大丈夫」「次はできるよ、もう一回やってみて」と声をかけることで、子供の「やればできる自分」というセルフイメージは育っていきます。

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受験準備 この学年ではこれをしよう

中学受験を決めたから、といって、ゲームはダメ、テレビはダメ、と禁止ばかりでは、長丁場の受験を乗り越えることはできません。保護者は子供の遊びたい気持ちをまず認め、メリハリをつけていくことが大切です。

以下に、学年ごとにやっておくべきことをあげていきます。それを目安に、各家庭に合った進め方を考えてみてください。

3年生

中学受験というシステムを意識するところから始めます。親戚や知り合いに中学受験経験者がいたら、話を聞いてみるのもおすすめです。

塾に通うよりも、この時期は、まず毎日の学習習慣をつけるところから始めます。最初は30分でかまわないので、毎日必ず学年別の参考書や問題集などを使って、親の目の届くところ(リビングが最適)で勉強します。本を読んで親子で感想を話したり、ニュースを見たり、地図を見ながら旅行の計画を立てたり、幅広い勉強も始めます。

4年生

どんな中学に行きたいか、通学時間はどのくらいまで大丈夫か、中学で何がやりたいか、など、具体的に親子で話し合ってください。勉強を頑張れるか、習い事をどうするかなどを親子で確認し、さらに中学受験をしないのであれば、高校受験はかならずしなければならないことなどを話しておきます。

塾では4年生の2月から、本格的な受験カリキュラムがスタートするところがほとんどです。そうなる前に塾は決めておかなければなりません。4年生になったら、塾の体験学習などに子供自身が参加して、雰囲気をつかんでもらいます。そうやって夏休み前には塾を決めておくとよいでしょう。

家庭学習の時間も1時間程度には増やし、少しずつ生活全体を勉強モードに移行させる時期です。

5年生

本格的な受験勉強が始まります。志望校を考え始める時期でもあります。子供と一緒に学校を見に行き、雰囲気や制服、家からの所要時間などを把握しておきます。

塾の勉強も厳しくなってくるので、週に1度はかならず、塾でのテスト結果や勉強の進捗状況について、子供と話し合う時間を設けましょう。

6年生

受験に向けて、具体的に何をしていくかがはっきりする時期です。多くの塾では7月までで小学校のカリキュラムを終えて、以降は実践的な受験準備が始まります。夏休みには、過去問を解き始めるので、それまでに第一志望、秋口までに第二、第三志望校までを決めておく必要があります。

夏から秋口にかけては学校説明会やオープンスクール、文化祭、体育祭など、志望校に行くことでモチベーションも高まります。生徒の様子や学校の雰囲気を知るためにも、ぜひ参加してください。

模試も増えるので、その成績をもとに、最終的に受験する学校を決めます。どうしても保護者は出てきた結果で批判したり、喜んだりしてしまうのですが、そうではなくどうしてこの成績なのか、これからどうしたらよいのか、という角度で、模試を活用してください。

まとめ

現在、首都圏や関西圏、中京地区などでは6人~7人に1人の割合の子供たちが中学受験に臨んでおり、この割合は今後さらに増えることが予想されます。

確かに受験は大変ですが、子供が「自分で受験することを選んだんだ」という自覚を持ってさえいれば、そして保護者が子供に寄り添い、話し合い、ともに受験に立ち向かっていけば、子供の成長のための大きな糧となる経験です。ぜひ一度、ご検討ください。

 

この記事を書いた人

大手塾で働いてきた知識と、自身が子育てを行なってきた経験を元に、執筆を行う。自分の子供の受験も経験し、塾講師としてまた母親としての視点から、受験や塾に関して意見を書けることを強みとしている。
塾を退職後は、自身で小さな学習塾を開いている。

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