年々増え続ける習い事の種類。複数の習い事を並行することも当たり前になってきました。そこで気になるのは、塾と他の習い事の両立って可能?ということ。
現在、筆者の娘は「塾」「ピアノ」「スイミング」の3つを習っています。
もちろん時間的に大変な面もありますが、他の習い事が学力に良い影響を与えていると感じる場面も多々あります。そこで今回は、習い事が学力に与える5つの良い影響を紹介します。
塾・ピアノ・スイミングを並行して習うきっかけ
「文化系の習い事と体育系の習い事、2つさせたいな」と考えていた筆者。
ちょうど子どもが興味をもっていたピアノと、近くにスクールがあったスイミングに通わせることにしました。
たった週2日とはいえ、毎週の送迎はなかなかの負担。落ち着かない夕方を過ごす日が増えました。
1年ほど経ったとき、娘が言ったのは「塾に行きたい」という言葉。
娘にとっては勉強が憧れであり、もっとたくさんの知識を吸収したいという思いだったようです。
毎日のピアノ練習とスイミングでへとへとなのに、さらに塾なんて無理なのでは…と思いましたが、勉強したいという娘の気もちを無視することはできません。
「楽しんで取り組めるうちに勉強に親しみ、その後の学習習慣の定着につながれば」
と考え、塾も通わせることに決めました。
「塾」「ピアノ」「スイミング」、3つの習い事を始めて丸2年が経ちますが、娘はどれも手を抜かずに努力しています。そんな生活の中で、習い事が学力に与える良い影響に気づきました。
基礎的な体力が身につく
まずはスイミングが学力に与える影響について。
当たり前のことですが、スイミングでは基礎的な体力が身につきます。
学力と体力はあまり関係がないように思われるかもしれませんが、正しい姿勢で椅子に座わるには筋力が必要です。腹筋や背筋の力が弱く、机に向かう姿勢が維持できない子どもも増えています。
スイミングは全身をまんべんなく鍛えることができるため、学力向上に必須となる筋力を身につけることが可能です。
また、体力がつけば風邪をひきにくくなります。
先の話にはなりますが、受験シーズンは風邪やインフルエンザも流行します。いくら学力に自信があっても、受験当日にベストコンディションでなければ持つ力を十分に発揮できません。小さい頃から体を鍛え、風邪をひきにくい体質にしたいものです。
他にも、友だちや先生とコミュニケーションをとる練習になったり、体を動かしてストレス発散できたりする効果があります。
小さな挫折体験を経験しよう
スイミングスクールでは、進度ごとにクラス分けされていることがほとんどです。
数ヶ月に一度「進級試験」があり、合格すればバッヂがもらえる、というシステムです。
多くの子どもは、ここで初めての挫折を経験します。
「頑張ったのに合格しなかった」
「自分だけバッヂをもらえなかった」
など、そのショックは大人が想像するより大きなもの。
競争や順位付けを避ける傾向にある現代社会において、スイミングスクールには確実な「ランク分け」があります。
この挫折を、子どもの間に経験しておくことが非常に重要です。
「友だちに負けたくない」「次こそは合格したい」」という強い気持ちは、学習面でも発揮されます。
学校生活では薄れがちな競争心を育ててくれるでしょう。
さらに、スイミングの場合は進級試験が定期的にありますから、挫折で終わることがありません。
さらに努力を重ね、次のタイミングで合格できれば「努力すれば報われる」という成功体験につながります。
一度ダメでもあきらめない、強い心を育てましょう。
毎日コツコツと取り組むきっかけに
次に、ピアノが与える影響についてです。
スイミングと異なり、ピアノは家庭での練習が必須です。週に一度のレッスン日に向け、予習や復習を毎日繰り返す必要があります。
「毎日コツコツ」という習慣は、小さな頃から始めた方が身につく可能性が高くなります。
「学校から帰ったらすぐに」「夕食後、お風呂に入るまでの時間に」など、毎日決まった時間に繰り返すことがポイント。
生活リズムに組み込んでしまえば、「今日の練習どうしようかな」と思うことすらなく、スムーズに取り組めるようになります。
この習慣が、そのまま学力にも良い影響を与えます。
「毎日決まったことをコツコツと繰り返す」というのは、まさに学習においても大切なこと。
学校の宿題や塾の宿題は、「いつやろうかな」「明日まとめてやろうかな」と考えてしまいがち。
これでは毎日の学習習慣が身につきません。
学力向上に欠かせない学習習慣の定着には、毎日練習が必要なピアノと大きな共通点があります。
指先を動かすことで脳を発達させる効果が
「第2の脳」と呼ばれるほど、末梢神経が集中している指先。
ピアノを弾くことで指先を刺激し、脳を発達させる効果があると言われています。
指先を動かす行為はほかにもたくさんありますが、
ピアノの大きなメリットは「利き手も非利き手も同じように使う」という点。
普段どうしても使う機会が減りがちな非利き手も、ピアノではしっかりと使います。両手をバランスよく使うことで、右脳も左脳も発達させる効果が期待できます。
また、ピアノを弾くときには「今弾いている場所より少し先の楽譜を読む」という処理をしなければなりません。
ピアノの経験がない方には少しイメージしづらいかもしれませんが、スムーズに演奏するには、手は今の音を弾きながら、目は少し先の音を追う必要があるのです。
とても複雑な行動のため、情報処理能力が鍛えられます。
さらに、発表会で演奏するとなれば、楽譜を完ぺきに覚える必要があるため、記憶力を鍛える機会にもなります。
精神力や集中力を鍛えられる
スイミングとピアノ、両方に共通するメリットとして、精神力や集中力を鍛えられることが挙げられます。できないことに挑戦するのは、誰でもドキドキするもの。
「ちゃんと泳げるかな」「初めての曲、弾けるようになるかな」という不安を感じながらも、
毎日・毎週の練習に取り組むきっかけになるでしょう。
学習面においても、「こんな問題解けない」「こんなにたくさん覚えられない」と壁にぶつかることがあるかもしれません。
そんなとき、「いや、頑張ればできる!」と奮起できるかどうかは子どもの精神力にかかっています。さらに、長時間集中できる体力と気力を養っておくことで、学力の向上に良い影響を与えてくれます。
まとめ
以上、習い事が学力に与える良い影響について紹介しました。
複数の習い事をかけもちすると費用面やサポート面で両親の負担が増えるため、どうしようか迷われる方も多いと思います。また、塾とほかの習い事の両立が可能なのか、学力が下がってしまうのではないかという不安もあるでしょう。
ところが、習い事を両立させることにはメリットもたくさん。自分の好きな習い事に触れることで気分転換になり、学習に対する意欲が向上する効果も期待できます。
それでも、一番大切にしたいのはやはり子どもの「やりたい」という気もち。
「勉強ができるようになるから!」といって、興味がない習い事を始めさせても、学力向上効果は期待できないでしょう。
また、毎日習い事を詰め込んで、心身ともに疲れ切ってしまう可能性もゼロとは言い切れません。
子どもの自由な遊び時間も確保しながら、親子で話し合って習い事を選ぶようにしてください。