こんにちは、おしぃです。
東京都千代田区飯田橋
その飯田橋の一角にある小さな公園
このお話は、その公園に住む2匹のアリ
「イーダ」と「チョーダ」のお話です
チョーダ:「あ~疲れた・・・」
イーダ:「今日はかなりしんどかったわ」
チョーダ:「明日は休みたいっちゃけどなぁ・・・」
イーダ:「明日?何かあんの?」
チョーダ:「明日、ここで人間が夏祭りやけん」
イーダ:「あ~そっかそっか・・・大変そうやね」
チョーダ:「有給、残って無かとよね・・・」
イーダ:「有給、無計画に使いすぎだもの(笑」
チョーダ:「イーダはどれくらい残っとるとな?」
イーダ:「俺、今年に入って1日しか使ってないよ」
チョーダ:「よお、そげん毎日仕事ばっかりで平気やね」
イーダ:「チョーダがサボりすぎなんだわ(笑」
チョーダ:「直前に”休みます”げな言ったら
リーダー怒るし無理やろなあ・・・」
イーダ:「あのリーダー怖いもんね・・・」
チョーダ:「もの凄い怖かよ・・・あれアリじゃなくて鬼やもん」
イーダ:「生まれ変わる時は人間になりたいなぁ・・・」
チョーダ:「いやいやいやいや・・・」
イーダ:「ん?」
チョーダ:「人間見とったらわかるやろ?」
イーダ:「何が?」
チョーダ:「人間げな毎日毎日仕事ばっかりやぞ」
イーダ:「そうなの?」
チョーダ:「そうくさ!今なるとやったらバッタやろ」
イーダ:「バッタ?」
チョーダ:「動きも早いし、ジャンプも凄いし、空も飛べるし、歩きもできるし」
イーダ:「確かに・・・いいね・・・」
チョーダ:「問題はヒロシの後輩になってしまう事やな」
イーダ:「バッタのヒロシの?」
チョーダ:「俺、あいつの後輩にだけはなりたくなかやん」
イーダ:「後輩どころか、生まれ変わったら子供もありえる・・・」
チョーダ:「俺が?ヒロシの子供?」
イーダ:「うんうん」
チョーダ:「うわ~、ありえんわ・・・無理やわ」
ピピピピピピピピッ!ピピピピピピピピッ!
イーダ:「ん?何の音?」
チョーダ:「あ、ごめんごめん、俺のメール」
イーダ:「誰から?」
チョーダ:「ん~っと、げ、ヒロシからやん・・・」
イーダ:「凄いタイムリーだ(笑」
チョーダ:「携帯変えましたってさ」
イーダ:「ああ、少し前にスマホにしたいって言ってたわ」
チョーダ:「あいつガラケー使っとったとね、なるほど」
イーダ:「新しいメアドの登録し直しって面倒だよな」
チョーダ:「ん?」
イーダ:「アドレス帳開いて書き換えて更新でしょ?」
チョーダ:「あ、いや、メアドは変更してなかね」
イーダ:「え?じゃあ電話番号の変更?」
チョーダ:「え~っと、メールに書いとる電話番号も前と変更なかね」
イーダ:「はい?(笑」
チョーダ:「ん?」
イーダ:「じゃあ、何のメールなの?」
チョーダ:「何って、やけん”携帯変えました”ってメール・・・」
イーダ:「いや、だってさ、そのお知らせ必要?」
チョーダ:「言われてみれば・・・何のメールかいなこりゃ・・・?」
イーダ:「スマホになって嬉しかったんだろうな(笑」
チョーダ:「あ~、いかんやんこれ・・・」
イーダ:「ん?どうした?」
チョーダ:「アドレス帳にあるメアドば全部
”宛先”に入れて一斉送信しとるごたあ」
イーダ:「おおっと!マナー違反!!」
チョーダ:「これじゃ、あかの他人のアドレスが丸見えやん」
ピピピピピピピピッ!ピピピピピピピピッ!
イーダ:「もしや・・・」
チョーダ:「あ~やっぱり、ヒロシへの返信が俺ん所にも来た・・・」
イーダ:「TOとCCとBCCの違いをヒロシに教えた方がいいね」
チョーダ:「やだ、教えても見栄はってしったかぶるけん、面倒」
イーダ:「う~ん、確かに・・・」
チョーダ:「イーダはメアド変更した時どげんしとっと?」
イーダ:「俺?”メアドピッカー”っての使ってる」
チョーダ:「ふ~ん、どげんと?ちょっと見せて」
イーダ:「これね、アドレスから一覧出して選ぶだけ、楽なんだ」
チョーダ:「ああ、なるほど、あらかじめグループ分けしておくとね」
チョーダ:「これよかねえ・・・俺も入れよ」
ピピピピピピピピッ!ピピピピピピピピッ!
イーダ:「またヒロシへの返信が?」
チョーダ:「え~っと、うん・・・めんどくさいわあ・・・」
ピピピピピピピピッ!ピピピピピピピピッ!
ピピピピピピピピッ!ピピピピピピピピッ!
イーダ:「うわ、どんどんくるな(笑」
チョーダ:「何が頭くるってさ」
ピピピピピピピピッ!ピピピピピピピピッ!
イーダ:「うん」
チョーダ:「返信の本文から察するに・・・」
イーダ:「うん」
チョーダ:「女ばっかり・・・」
ピピピピピピピピッ!ピピピピピピピピッ!
イーダ:「・・・」
ピピピピピピピピッ!ピピピピピピピピッ!
チョーダ:「なんであんなのがモテるとかいな・・・」
ピピピピピピピピッ!ピピピピピピピピッ!
イーダ:「キザはいつの時代もモテるものよ」
チョーダ:「やっぱり生まれ変わるならバッタやな・・・」
イーダ:「バッタでモテモテ!」
チョーダ:「バッタでモテモテ!」
イーダ:「バッタでモテモテ!」
チョーダ:「バッタでモテモテ!」
彼らが生まれ変わる時、再びアリとなる事は
神様だけが知っている事実であった。
■「メアドピッカー」のダウンロードはこちら↓