こんにちは、おしぃです。
そこは、電気も水道も無いような
山奥にある小さな村のお話です。
その村にはお医者様がいませんでした。
村人は体の不調が起きても
薬草に頼ったり、なんとかしのいでいました。
ある日の事です。
その小さな村に世界を旅する行商人が立ち寄りました。
珍しい外からの訪問者に
村人たちは全員集まって来ました。
男のワゴンには世界中から集めた色々な品が
びっしりと入っていました。
ある村人が、その沢山の品の中から
黒い平たい板を手に取りました。
「君、お目が高いね!それは
あらゆる病気を治すという魔法の板だよ。
別名、ツボマスターと言うんだ。」
「騙すでねえ、こっだら板で何ができるだ!」
村人達は行商人を信じませんでした。
行商人はやれやれという顔をして言いました。
「では、この板を使って病気を治してみせましょう
誰か病気の方はいらっしゃいますか?」
この呼びかけに、一人の若い女性が手を挙げました。
「私、最近、目が痛いんです。」
「そうですか、ではこっちへいらっしゃい。」
女性が近づいて来る間、
行商人はツボマスターを指でさすり始めました。
すると、さっきまで真っ黒だった板の部分に
手の絵が現れました。
行商人は絵にある通りに女性の手に触れました。
「どうだい?まだ目は痛いかい?」
「ああっ!凄い!目の痛みが取れたわ!!」
村人達は一斉にどよめきました。
すぐに村長が手を挙げ、
どよめく村人達の声を静止しました。
「この板の素晴らしさは良くわかった、
して、価値はいかほどか?」
「ツボマスターさえあれば、目だけで無く
あらゆる病気を治癒できます。
食料二ヶ月分と馬を二頭でどうでしょう?」
「見ての通り、ここは小さな村じゃ
馬も三頭しかおらぬ、
そのうち二頭が居なくなるというのは大きな問題じゃ」
再び村人達はどよめき始めました。
しかし、ほとんどの人の意見は同じでした。
「どうやら、その板は馬二頭よりも価値があるとのことじゃ
そちらの言い値で買い取りたい。」
と、いう事で
ツボマスターは村人達のものになりました。
村人達は話し合い、夜に再び全員で集まり
ツボマスターの使い方について勉強する事になりました。
多くの村人が、これで病気とは無縁の生活を送れる。
そう考えるだけで、夜が待ちきれませんでした。
やがて夜になり、村人全員が村長の家に集まりました。
「行商人の話じゃと、ここを押すと絵が出るそうじゃ」
村長がツボマスターにあるボタンに触れた瞬間に
絵が表示されました。
村人達はおおはしゃぎです。
「うるさい、うるさいぞ、集中できんじゃろ・・・
ほら、画面に何か書いてあるぞ・・・
ううん、老眼がひどくて見えん・・・誰か見てくれ。」
他の村人が黒い板を手に取り
表示されている文字を読みました。
「充電してください。」
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