こんにちは、おしぃです。
東京都千代田区飯田橋
その飯田橋の一角にある小さな公園
このお話は、その公園に住む2匹のアリ
「イーダ」と「チョーダ」のお話です
イーダ:「チョーダ、ちょっと聞いてよ」
チョーダ:「ん?どげんしたと?」
イーダ:「ヒロシがさ」
チョーダ:「バッタのヒロシんこと?」
イーダ:「そうそう、そのヒロシがさ!」
チョーダ:「うん」
イーダ:「あまぞん行ったらしい」
チョーダ:「あまぞん?何処ねそれ?」
イーダ:「あら、チョーダも知らないか・・・」
チョーダ:「あまぞん・・・聞いた事なかね・・・」
イーダ:「彼女がお金出してくれるってさ、いいよなぁ・・・」
チョーダ:「そげん遊びよったら冬になって知らんばい」
イーダ:「いや、バッタが冬に困るなんて昔話だよ」
チョーダ:「え?じゃあ、冬の食べ物はどげんすっと?」
イーダ:「その”あまぞん”って所から食べ物が届くらしい」
チョーダ:「あまぞん・・・よく解らんね・・・?」
イーダ:「それでさ、検索してみたんだよね」
チョーダ:「ほお、どげな所やった?」
イーダ:「密林地帯で昆虫の天国みたいな風景やったよ」
チョーダ:「まじで?!そげな所があるとな?!」
イーダ:「うんうん、冬になってもそこから食べ物が届くらしい」
チョーダ:「まさに天国からの贈り物やん、ヒロシのコネクション半端なかね」
イーダ:「あいつは本当に謎多いわ」
チョーダ:「イーダ、行こう!俺らもあまぞん行こう!!」
イーダ:「え?!行くの?!」
チョーダ:「今日の星座占いで水瓶座が1位やったとよ」
イーダ:「は?」
チョーダ:「これは神様があまぞんに行けって言うとるっちゃろ」
イーダ:「チョーダ、水瓶座なの?」
チョーダ:「知らん、何座やろ・・・」
イーダ:「よし、とにかく行こう!あまぞんに!!」
チョーダ:「あまぞん!あまぞん!!」
イーダ:「あまぞん!あまぞん!!」
チョーダ:「これで仕事尽くめの毎日からおさらばや」
イーダ:「天国目指して行こうぜ!」
チョーダ:「でも、あっちで言葉とか通じるとやろか?」
イーダ:「あ~~、そうだなあ、何かいいアプリあるかも」
チョーダ:「ああ、そうやね、調べようか」
イーダ:「ねえ、これどう?」
チョーダ:「ん?”海外周辺ガイドアプリ”?」
イーダ:「ほら、これだけ情報あったら困らないでしょ」
チョーダ:「世界24都市カバーげな、凄かね」
イーダ:「日本語だし、これで安心だ」
チョーダ:「よし、これで準備OKやんね」
イーダ:「うん、行こうか!」
チョーダ:「あれ??」
イーダ:「ん?どうかした?」
チョーダ:「いや・・・・」
イーダ:「何だよ」
チョーダ:「いや、あれ見て・・・・」
イーダ:「え?あれ?」
チョーダ:「ほら、あそこ・・・・」
イーダ:「あれ?ヒロシ??」
チョーダ:「あのキザったらしい触覚はヒロシよな?」
イーダ:「そうだね・・・なぜここに・・・?」
チョーダ:「彼女にフラれたとやろか?聞いてくるわ」
イーダ:「あ、うん、ここで待ってるわ」
————-
チョーダ:「ただいま」
イーダ:「ヒロシ何だって?」
チョーダ:「あまぞんは行けないんやって」
イーダ:「え?行けないの?」
チョーダ:「スマホ使ってあまぞんに欲しい物を頼むんやってさ」
イーダ:「あまぞんっていったい何なんだ・・・」
チョーダ:「よう解らんたい、お願いばしたら何でも送ってくるらしい」
イーダ:「何でも?」
チョーダ:「何でもらしい」
イーダ:「こっちからは行けないのに・・・」
チョーダ:「向こうからは何でも送ってくる・・・」
イーダ:「?????」
チョーダ:「?????」
イーダ:「もしかして、あまぞんってヒロシの彼女の事か?」
チョーダ:「!!!」
イーダ:「そしたら全部つじつま合うよね?」
チョーダ:「な~んだ、そげな事やったんや・・・」
イーダ:「俺らのあまぞんちゃんは遠いなぁ・・・」
チョーダ:「なぁ・・・」
こうして、彼らの平凡な日常は続いていくのであった。
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