【名園探訪】別所幼稚園(さいたま市南区)~教育理念と地域に根ざした園づくり

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別所幼稚園の歴史と成長の軌跡

― 今日は、埼玉県さいたま市南区別所にある「別所幼稚園」の田島道子園長先生に、幼稚園の理念や取り組みについてお話を伺いたいと思います。まず、別所幼稚園の歴史について教えていただけますか?

田島園長:はい、別所幼稚園は長い歴史を持っていまして、創立当初はごく小規模なスタートでした。実は第1回の卒園生は9人、入園者が8名という、とても小さな規模だったんです。でも、当時から「子どもたちをしっかり守り育てる」という理念のもと、地域のお母様方の協力をいただきながら運営してきました。その後、小さなアパートを借りて園庭を整えたりと、少しずつ成長してきました。時代の流れに合わせて園の規模も拡大し、現在では360名の園児が通う大規模な園になっています。

安心して過ごせる環境づくりと保育方針

― 360名の規模にまで成長したのですね!地域のニーズに応えながら発展を続けてきたことがよくわかります。現在、別所幼稚園の運営方針や取り組みで特に大切にしていることはありますか?

田島園長:一貫して、子どもたちが安心して過ごせる環境作りを大切にしています。教員の質を高めるための「研修日」を設け、日々の保育の質を見直す機会を設けています。特に子どもたち一人ひとりに目を配り、信頼関係を築くことが基本です。また、防犯カメラを設置し、トラブルの原因を正確に把握することで保護者の方に安心感を持ってもらえるようにしています。

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充実した課外活動の取り組み

― 子どもたち一人ひとりを見守りながら、保護者の方々にも安心感を提供するような環境づくりを心がけているのですね。ちなみに、別所幼稚園ではスイミングやバイオリンといった課外活動が充実していると伺いましたが、その取り組みについて詳しく教えてください。

田島園長:はい、課外活動は子どもたちが様々な体験を通じて成長する機会と捉え、充実させています。スイミングは専門のインストラクターを招いて行っており、園で直接スイミングスクールのバスがお迎えしてくれるため、保護者の方も喜んでいます。また、バイオリン教室も人気で、小さなサイズのバイオリンを貸し出して、初心者の子どもでも気軽に参加できるよう工夫しています。

― 園で完結するのは保護者の方にとっても助かりますね!バイオリンやスイミングを通じて子どもたちが自分の興味を見つけられるのも素晴らしいです。

田島園長:そうですね。その他にも体操教室やロボットプログラミング教室もあります。ロボットプログラミングでは、レゴやダンボールでロボットを組み立て、自分で動かす喜びを味わうことで、子どもたちに大人気なんです。こうした活動を通じて、自分で考えて動かす楽しさや、達成感を感じ取ってもらえればと願っています。

発達支援が必要なお子さんへの配慮とサポート

― 別所幼稚園が地域に根ざした理由が伝わってきました。発達支援が必要なお子さんも受け入れていると伺いましたが、その取り組みについて詳しく教えてください。

田島園長:はい、発達支援についても特別な配慮をしています。他の園で受け入れてもらえなかったお子さんや、少しサポートが必要なお子さんも受け入れていますが、そうしたお子さんも「個性のあるお子さん」として一緒に過ごしてもらっています。当園では、発達支援が必要だからといって分けることはせず、自然な形で同じクラスにいるようにしています。その結果、クラスメイトの中には、そういった個性を持つお子さんに親しみを感じて、クラスの人気者になるケースも多いんですよ。

― クラスで一緒に過ごしながら個性を尊重しているのですね。保護者の方にとっても、この姿勢はとても安心できるものですね。

田島園長:そうですね。保護者の方々には入園前にしっかりと説明し、お子さんがどのようなサポートを受けられるのかを理解していただいています。また、発達の特性に応じた保育内容を提供するために、教員には研修を受けてもらい、日々スキルを向上させています。支援が必要なお子さんにも、成長に合わせた適切なアプローチができるよう心がけています。

卒園生とのつながりと成長を支えるエピソード

卒園生がこの幼稚園に戻って働いていると聞きましたが、そのエピソードについて教えていただけますか?

田島園長:そうなんです。実は、幼い頃に別所幼稚園に通っていた子どもたちが成長してスタッフとして戻ってきてくれることが増えています。例えば、ある卒園生が現在、早朝や夕方の預かり保育の時間にアルバイトとして働いています。幼時の頃から個性的な園児でしたが、今では立派な大学生になり、早稲田大学の教育学部で学びながら子どもたちの面倒を見てくれています。

― 早稲田大学で学びながら、かつて通っていた幼稚園で働くのはその卒園生にとっても特別な体験でしょうね。

田島園長:そうですね。その子が大学に合格した時、「園長先生、昔チョコレートをもらったこと覚えてますか?」と話してくれました。小さな頃の思い出を今も覚えてくれていて、それが仕事に対するモチベーションにもつながっているようです。卒園生たちにとっても、この幼稚園が特別な場所であると感じてくれているのが何よりも嬉しいですね。子どもたちからも大人気で1日が終わると両足に5~6人の園児がしがみついて別れを惜しんでいる姿を見ると胸が熱くなります。

地域とともに歩む未来への展望

― 地域に根ざした幼稚園だからこその工夫が多いですね。今後、別所幼稚園をどのように発展させていきたいとお考えですか?

田島園長:地域の方々との絆を大切にしながら、地域全体で子どもたちを見守る体制を作っていければと思います。長い歴史の中で得た地域の信頼を基盤に、これからも子どもたちがのびのびと成長できる環境を目指していきます。

― 地域の子育て環境を支える幼稚園のあり方が伝わってきました。今日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

田島園長:こちらこそ、ありがとうございました。これからも地域社会とともに、子どもたちの成長を支える場であることを目指して頑張ります。

このインタビューを通して、別所幼稚園が発達支援が必要な子どもたちも個性を尊重して受け入れ、全員が一緒に成長できる環境を築いていることがよくわかります。

学校法人浦和富士学園 別所幼稚園
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