春夏秋冬。季節ごとに新機種が発売される携帯電話は技術革新のサイクルが早く、特にスマートフォンは発売されるたびに新たな機能や改善がありますね。
新機種の仕様表を見ているとストレージ容量やRAMに混ざって「画面にはゴリラガラスを採用」と書かれていることがあります。
ゴリラです。強そうですね。だけどガラスだから割れるんじゃないの?
ところがゴリラガラスは傷に強い強化ガラスとして世界的に有名なんです。
ゴリラガラスが使われる理由
スマートフォン以前の携帯電話は画面をプラスチックで作るのが一般的でした。
耐久性を考えると割れにくいプラスチックで作るのは理にかなっていたのです。しかしスマートフォンになると事情が変わります。
スマホ最大の特徴は画面を直接触って操作するタッチパネルです。
タッチパネルには反応の良さや精度の関係でプラスチックよりもガラスのほうが適しています。
しかし普通のガラスでは傷が付きやすく割れやすい欠点あります。そうした問題を改良し実用レベルにまで高めたのがゴリラガラスです。
ゴリラガラスはなぜ傷や割れに強い
ゴリラガラスは、ガラス表面のイオンを、一部カリウムイオンに置き換えて作られます。
カリウムイオンはより大きな体積を占有するため、ギュッと詰まった感じでガラスを作ることができます。
ガラスは曲げようとする力、表面を引っ張られる力に弱く割れてしまいます。表面に傷が出来るとただでさえ弱い引っ張る力がそこへ集中し、傷の付いた部分から割れてしまうのです。
表面をギュウギュウに詰めて作ることにより、圧縮する力が高まり引っ張る力に強くなります。
また製造段階でも過度な研磨をせずとも表面が滑らかになる工法を考え、余計な傷がつかないよう徹底されています。
ゴリラガラスを開発するコーニング社では動画で普通のガラスとゴリラの違い、ガラスが割れる仕組みを解説しています。
ゴリラガラスは現在、第3世代のゴリラガラス3が正式に採用されています。
他社も化学強化ガラス分野に続々と参入を始め、これから本格的に競争が激化しそうですね。