言葉遊びでリズミカルに楽しむ絵本が誕生「ダジャレーヌちゃん 世界のたび」前編

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可愛らしい絵と、独特なリズムの“だじゃれ詩”が特徴的の絵本、「ダジャレーヌちゃん世界のたび」。
2019年4月の販売開始から、SNSなど口コミを中心に話題となっている大人気の絵本です。

今回はこの絵本を手掛けた出版社、303 BOOKSの代表・常松心平さんにお会いして、どのように絵本が誕生したのか、お話を伺うことができました。

絵本をつくろうと思ったきっかけ

記者:では早速ですが、ダジャレーヌちゃんが誕生のきっかけについて、お話を聞かせていただけませんか。

常松さん:もともと私たちは、編集プロダクションとして、主に教育関連の図鑑や本などをつくっていました。ですが、今回出版社を立ち上げるに当たって、思う存分好きなように、自分たちのつくりたいものをつくろうって話になったんです。そこで思いついたのが絵本でした。

絵本って、長く愛されることができる本だと思っていて。例えば、「100万回生きたねこ」って絵本でいうと、1977年に初版が発売されてから、40年以上も愛されていて、「はらぺこあおむし」も1966年に発売されてから50年ほどですね。いまだにファンも多く、グッズも大変人気だったりしますよね。

私たちも、長く愛される、息の長い本をつくりたかった。だから、絵本にたどり着いたんですね。また、私たちはもともと子ども向けの書籍をつくってきた実績もあって、子ども向けの本には自信があったので。
じゃあやってみようかってなりました。

記者:確かに、昔から愛されてきている、名作と呼ばれる絵本の一冊をつくるって、なかなかロマンがありますね。

常松さん:そうなんですよね。それから、どんな絵本がつくりたいか話し合っていった中で、文と絵が違う作者でつくってみたいねって案が出てきました。絵本って基本的には、文と絵を同じ作者の人がつくってるんです。でも両方できる人ってごくわずかで、その人自身が稀な才能の持ち主なんですよね。

なので私たちは才能ある一人作家の絵本というよりは、文と絵を違った作者でつくった時の、別々の人だからこそつくり得る世界観を表現してみたかった

だから今回、文は、面白い詩を書く林木林(はやしきりん)さんに、絵は、柔らかさの中でしっかりとした表情をつくり出せるこがしわかおりさんにお願いすることにしました。

リズミカルで心踊る歌のような詩と、柔らかいタッチの絵の中から伝わってくるその国の魅力が、とても印象的な1ページに仕上がっている

記者:別々の作家さんを掛け合わせることで、違った魅力が生まれるのではないかと考えたわけですね。たしかにこの絵本には、見開いたページをずっと眺めてしまう、奥深い魅力があります。

常松さん:あと、オリジナルの絵本をつくる上でこだわったのが、本に帯をつけないってことです。新刊本には必ずついてるじゃないですか、本の中身を有名な作家さんが紹介してくださっている文章が載っている帯とか。あれって、確かに本の様子も伝わるし宣伝をする上で大切だとは思うんですが、本の表紙のほとんどを隠してしまいますよね。

しかも、絵本となると、表紙全面で絵の良さを伝えたいので、帯で隠れてしまうのはもったいないと思って。カバーの紙にもこだわったので、紙の表情や、表紙の絵の表現具合など、感覚的に、邪魔するものなく受け取って欲しかったんですね。なので、帯をつけるのはやめました。

記者:確かに、今回大きな表紙に、いろんな表情のダジャレーヌちゃんが描かれていますね。
世界を旅している情景も伝わってきて、開く前からワクワクする表紙です。
自由な工夫によって、絵本の良さがより伝わってくるんですね。

「ダジャレーヌちゃん 世界のたび」のストーリー

ここで少し、「ダジャレーヌちゃん 世界のたび」のあらすじをご紹介します。

1カ国目はフランスからスタートするダジャレーヌちゃんと、相棒でトランクのトラさん

だじゃれ好きな女の子ダジャレーヌちゃんと、お話しするトラベルトランクのトラさんが、一緒に世界を旅するお話、「ダジャレーヌちゃん世界のたび」。

主人公のダジャレーヌちゃんは、目に映るものを全て、だじゃれ詩に変える才能の持ち主です。

◆「フランとよりみちしてミルフィーユ」フランスにて

◆「サンタさんのおてつだいさぁんたいへん おてがみどっさりビックリスマス」フィンランドにて

◆「ギタロンもきたろんひいたろん マリアッチありまっち」メキシコにて

◆「こうしんりょうのこうしんよ だんどりきちんとタンドリーチキンに」インドにて

ダジャレーヌちゃんが訪れた国の、食べ物や観光名所、文化を織り交ぜた“だじゃれ詩”を、軽快なリズムで歌ってくれます。

また、この本を出版した 303BOOKS のXでは、各国に隠れているキャラクターがさらに細かく紹介されています。
ダジャレーヌちゃんと、いまこの季節を共有できるのも、いいですね。
絵本のファンになってしまった方は必フォローです!

(※インタビューは後編に続きます)

後編はこちら

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