Zoomで学校の代わりにオンライン授業 | 集団指導のメリットを活かすコツ

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学校が休校の間や塾の代わりに、オンライン授業が普及するにつれて、集団指導でただ単純に黒板を使って授業する形式では、いろいろな問題が浮上することがわかってきました。

先生の声が聞きにくい、字が見えないといった講師側の問題や、子ども側が通信量を満たしておらずネットワークトラブルが発生するといったものです。

今後、これらの問題点が早急に改善され、より効果的な授業が提供されていくことになるでしょうが、オンライン授業に「集団指導のメリット」を活かしていくことはできるのでしょうか?

今回はそれを実践するためのコツについてお伝えしていきます。

集団指導のメリット

マイペースには陥らない

そもそも集団指導のメリットとはなんでしょうか?子ども側からすると、いつでも自分のわからない問題を質問できる個別指導の方がメリットは大きいように思えます。


確かに自分のペースで勉強できることは安心できるかもしれませんが、逆に「マイペースになりすぎて学習の進度が遅くなりがち」です。もちろん勉強することが楽しくてどんどん進めていく子どももいますが、それはごく一部です。

マイペース過ぎる学習環境は、「もっと速く解こう」、「もっと速く理解しよう」という意欲が湧きにくい環境ともいえます。

集団指導の場合は一定のスピードがありますから、それについていかなければならないという心構えになります。説明や演習で設定された時間こそ目標を達成する(志望校合格、目標とする学力に到達する)ために必要な力を養う大切な要素なのです。


経験豊富で力量のある講師は、そこまで計算して授業構築を行っています。ただしこれには、学力がバラバラな生徒が混在している場合、ついていけない生徒を生み出す原因にもなりますので、ある程度の学力分けで授業を行うのが理想的です。

周囲から刺激を受け、向上心が高まる効果

子どもたちは、講師や親に「頑張れ」「もっと勉強しなさい」と言われるよりも、ライバルたちが頑張っている姿を見た方が「自分ももっと頑張ろう!」という気持ちになります。こういった良い刺激を受けられることが集団指導のメリットです。人は頑張っている集団の中にいた方が、頑張りやすいともいえます。

自宅で、自分ひとりで勉強しているとこの効果を得ることは難しいでしょう。「今日は気持ちが乗らないから遊ぼう」、「部活で疲れたから勉強しないで寝よう」という気持ちにもなりがちです。

逆に同じ部活で頑張っている友人がいると、「疲れているけど負けられない」、「あいつが頑張っているのだから、自分も頑張れるはずだ」という気持ちが芽生えます。

集団指導には集団指導だからこその効果があるのです。

問題はオンライン授業だと、例え講師側が大勢の生徒に対して授業を行ったとしても、周囲から刺激を受けられないで、ひとりで勉強している感覚になりやすいということです。講師はこの点を工夫していく必要があります。

オンライン授業で集団指導のメリットをどう活かすのか

投票機能を上手く活用する

ひとりで勉強しているのではなく、目標達成を目指して一緒に頑張っている仲間がいると感じさせる方法のひとつに「投票」があります。

オンライン授業ツールとして「Zoom」を利用するケースが多くなっていますが、Zoomのメニューには「投票」という機能があるのです。


編集で投票したい内容を作成し、「投票を起動」を選択すればすぐに投票が始まります。これは講師だけに結果を通知することができますが、「結果の共有」を設定しておけば、子どもたちも投票結果を知ることができます。

選択肢のある問題を作成し、時間内に子どもに投票させることで、「みんなはどう考えているのだろう」と周囲を意識させることができます。
演習問題を解かせて、できたら投票させ、他の子どもたちがどのくらいのスピードで解けているのかの目安を示したり、問題の正答率がどのくらいかも簡単に子どもに伝えることができます。

普通に授業を行っていると、講師側からの一方通行のコミュニケーションになりがちで、ただ話を聞いて、ただ演習するだけになり子どもの意欲もなかなか高まりにくいです。
なので、こういった投票のような工夫を盛り込んでいくと、子どもたちもより興味を持って授業を受けることができます。

チャットの活用の仕方で授業は変わる

授業中に生徒を指名し、発言させることはオンライン授業でも可能です。

ただ話を聞くのではなく、「考えさせる」、「表現させる」といった刺激を与えて、授業に参加してもらうためのコツですが、オンライン授業ではより効果的に「チャット」の機能を利用することが可能です。

通常の授業では「質問のある人いますか?」と問いかけても、子どもたちもなかなか質問しにくいので、質問があってもそのまま流れてしまうケースが多いです。
しかし、チャットで質問を受け付けると、リアクションが変わってきます。発言が苦手な子どももチャットであれば気楽にできたりするからです。

状況によってはかなりの数のチャットが送信されてくることもありますが、すべてに答える必要はありませんので、多くの子どもたちが疑問に感じている点をさらに詳しく説明したり、鋭い意見を見つけて紹介していくことで、講師と子どもたちが一緒に授業を作り上げている雰囲気になります。


それに触発されてやる気の高まる子どもも増えるでしょうし、より積極的に授業に参加しようという気持ちになります。この辺りは集団指導ならではの効果といえるのではないでしょうか。

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まとめ

どうしても自宅で勉強していると、オンライン授業であっても「自分だけで勉強している」という感覚になりがちです。ここは講師側の工夫によって打開することが可能です。

オンライン授業になると講師の力量の差がよりはっきりするともいわれていますが、それはこういった「生徒を上手に参加させる」、「集団指導のメリットを活かすことができる」といった点の違いなのかもしれません。

ぜひオンライン授業ならではの機能も有効利用しながら、授業の質を高めていってください。

この記事を書いた人

大学で幼児教育・幼児心理を専攻。17年間進学塾講師を勤める。
空間把握能力と読解力を向上するメソッド導入などにも携わり、子供の教育プロセスをより良くする方法を学ぶ。子供の可能性は無限大であり、それをより教育に反映する手伝いができえばと、執筆活動に勤しむ。

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