オンライン授業のデメリットとその解決策は?

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新型コロナウイルスの影響で急速に普及したオンライン授業ですが、大学など一部を除き、対面型授業が再開しつつあります。しかし、今後の第二波、第三波のことを考えると、またオンライン授業が復活する可能性も予想されます。また、塾などではオンライン授業のメリットを生かし、通塾型から切り替えを検討しておられるところも多いかと思われます。

そこで本記事では、2020年春季のオンライン授業で浮かび上がった問題点を明らかにし、それをいかに乗り越えていくか、いくつかの実践のヒントをご紹介したいと考えます。

オンライン授業の問題点

ベネッセがオンライン授業について行った大規模調査の結果から、保護者がオンライン授業に関して不安に感じるのは次の点であることが明らかになりました。

小学校の低学年から高校生に至るまで共通しているのが「本当に子供が理解できているのかわからない

小学校の低学年、特に1年生では半数近くに上る「単調なため子どもの集中力が続かない」

中学生、高校生に多い「質問ができないので、わからないところを解決できない」

小学校の低学年に多い「先生からこちらの様子が見えないため子どもの学習態度が乱れそう」

以上のことから保護者がオンライン授業に対する不安点を解消するためには、以下の3点のクリアが必要なことがわかります。

集中力がとぎれない授業を行う
理解度、定着度を授業内で定期的に測り、結果を把握する双方向型授業では、質問できる機会を豊富に用意する

 

指導者の側は、そうでなくても授業準備や映像資料作成の準備に追われています。しかし、限られたリソースの中でも、ちょっとした工夫でそれぞれの問題に対処できます。ぜひ参考になさってください。

 

オンライン授業では集中させることがカギ

オンライン授業の最大のポイントは、集中力です。

それは、オンライン授業を受ける子どもたちの大半は、日常生活の場にいるからです。

おそらく大人でも仕事着に着替えることで、気持ちがシャキッとして仕事モードに切り替わる、という経験をしていることでしょう。子どももまったく同じです。

対面型の授業であれば、服を着替え、家を出て、教室や塾に行くというプロセスの中で、徐々に「教室で学ぶ主体」に切り替わっていきます。日常生活のままでは「学ぶ主体」に切り替えることができません。集中して聞くことが難しく、そのために授業内容を理解し、考え、自分のものにすることも難しいのです。

日常の場に身を置いており、「学ぶ主体」に切り替わっていない子どもを切り替えるために、まず決まった「儀式」を行います。

始まりの儀式

「さあ、始まるぞ」ということを参加した全員に体感してもらうために、必ず決まった儀式を行います。

(例)
「起立、気をつけ、礼、よろしくお願いします」と全員で立ち上がり、声を合わせてあいさつする。

双方向型のオンライン授業なら、出席を取って返事の代わりに「おはようございます」「今日もがんばります」など、一言答えてもらうことでもかまいません。とにかく参加者全員で儀式を行い、これから「学びの場に入る」ということを体感してもらいます。配信でも、かならず儀式に参加するよう呼びかけてください。

授業は10分ごとに区切れを入れる

子どもが集中できる時間は長くありません。個人差はありますが、小学校低学年であれば15分が限界、高学年~中学生でも30分程度と言われています。

さらにオンライン授業は、通常より疲れやすいことが指摘されています。小さなPCやスマホのブラウザから情報を得ようとするため、教室で授業を受けるよりも一層の集中力が要求されるためです。

授業を行う側は、ひとつのトピックを10分程度にまとめ、その中でかならずひとつ、頭に入れておいてほしい「核」となる部分を作ります。

この10分間、子どもたちにインプットしてもらったら、次は子どもたちのアウトプットです。

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「書く」ことを取り入れて理解・定着を図る/測る

子どもだけでなく、誰もが聞く端から忘れていきます。
脳科学の研究によると、聞いているだけで何もしないでいると、30分以内に半分以上が記憶からこぼれ落ちているとのことです。

そのため教室の授業では、先生の板書と生徒(児童)の書写が必ずセットで行われていますが、オンライン授業ではどうしてもこの点がなおざりになりがちです。ホワイトボードを使ったとしても、ノートに書き写すかどうかは、子どもに任されてしまうためです。

記憶を定着させるためには、聞く(インプット)→書く(アウトプット)を頻繁に繰り返すことです。そこで、オンライン授業では、10分ごとにアウトプットの時間を設けます。

アウトプットの内容は教科や学習内容によって異なりますが、次のようなものが考えられます。

授業内容の要約

穴埋め型の小テスト

習った単語を使って短文作成

計算問題

時間は3分から5分程度、チャットやラインを使って答えを送信してもらいます。
子どもにとってはアウトプットすることで、記憶の定着を図ることができるし、教師の側は授業の「核」が子どもに伝わっているかどうかを把握することができます。

「10分授業+アウトプット」を2~3回繰り返す

低学年であれば2回、高学年から中学生であれば3回繰り返し、最後に全員でその日の振り返りを行います。
教える内容は、対面型の授業よりも内容をしぼり、子どもの側に「自分は今日、三角形の内角の和が180°だということがわかった」というように、明確な意識を持ってもらうことを目的とします。

効果の高いオンライン自習

低学年は10分程度、高学年から中学生であれば20分~30分程度の対面型の自習時間を取ることも効果的です。オンラインは接続したまま、子どもたちに教科書や問題集で自習してもらうのです。

子どもたちにとってのオンライン自習のメリットとして、主に以下の2点があります。

質問があれば、チャットなどですぐ聞くことができる

友達の勉強する姿が励みになる

また、内容が理解できていない子どもにとって、自習は「何をやったらいいかわからない」時間になってしまいます。そこで教える側からすれば、とまどっている子どもを見つけることができ、その時間にチャットやラインなどを通じて個別にフォローすることができます。

子ども同士のオンラインディスカッションも効果的

集団授業の場合、どうしても進度に差ができ、先に進んでいる子どもにとっては物足りない、進めない子どもにとってはその場にいるのが苦痛なケースが起こってきます。

このような時、「算数で苦手な分野があったらどうしたらいい?」 と話題を振って、子ども同士で困ったことや、工夫していることなどを話し合ってもらいます。

ディスカッションの内容は、先生がまとめてレジュメ化し、アドバイスを加えて配布します。定期的にディスカッションの場を設けることで、さまざまな段階にある子どもたちが、主体的に勉強に取り組むきっかけを作ることができます。

 

オンラインにはオンラインにしかないメリットがある

オンライン授業の問題点として、どうしても自分が授業の場の一員と意識しにくいことがあります。
テレビを見る調子で画面を見てしまうのです。集中力が持続しない本当の原因もそこにあります。

しかし、チャット機能などを使うことによって、リアルタイムで学習進度を把握したり、ほかの子どもに知られないように質問できたりするという、オンライン授業ならではのメリットもあります。

学びの場を共有することができないという不利な条件であっても、子どもたちが「自分がクラスの一員だ」という意識を持てるようになれば、オンライン授業も大きな効果を上げることができるはずです。

内容を絞った短時間の講義とチャットでのフィードバックを活用し、オンライン自習なども活用しながら、ぜひ効果の高いオンライン授業を行ってください。

 

この記事を書いた人

大手塾で働いてきた知識と、自身が子育てを行なってきた経験を元に、執筆を行う。自分の子供の受験も経験し、塾講師としてまた母親としての視点から、受験や塾に関して意見を書けることを強みとしている。
塾を退職後は、自身で小さな学習塾を開いている。

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